【完結済みラノベ】天鏡のアルデラミン

こうへい

休みって寝るくらいしかやることないんだよなあ。ぶっちゃけヒマ~。

ラノベ猫

そんなにヒマなら、ラノベでも読めば良いニャ!!

こうへい

暇つぶしにラノベはアリだな。でも途中で終わってるとダルいんだよなあ。

ラノベ猫

なら、すでに完結しているおすすめラノベを一冊紹介するにゃ!!!

今回、紹介するのは「天鏡のアルデラミン」ニャ!!!!!

天鏡のアルデラミンとは

のちに名将と呼ばれる少年 ──。 その半生を描く壮大な架空戦記

隣接するキオカ共和国と戦争状態にある大国、カトヴァーナ帝国。その一角に、とある事情で嫌々、高等士官試験を受験しようとしている、一人の少年がいた。彼の名はイクタ。 戦争嫌いで怠け者で女好き。そんなイクタが、のちに名将とまで呼ばれる軍人になろうとは、誰も予想していなかった……。 戦乱渦巻く世界を、卓越した才で生き抜くイクタ。その波瀾万丈の半生を描く、壮大なファンタジー戦記、いよいよ開幕!

 

天鏡のアルデラミン【3つの魅力】

①楽な仕事こそが正しい仕事!?貴方の仕事を変える「イクタ・ドクトリン」

 作中の説明によると、「イクタ・ドクトリン」とは、「例えば、拠点の防衛よりも部隊の生還を優先すること。例えば、一定以上に疲労させたまま兵を続けて用いないこと。人材の使い潰しを徹底的に否定し、帝国軍という組織を最大効率で継続的に運用するための方法論。」というものです。

 これらは現代的な感覚としては至極最もで間違いなく正しいことです。しかし、私たちの身の回りでも部下によくわからない理由で残業を押し付けたり、頑張れ頑張れというばかりで疲労していく部下や生徒を酷使ばかりさせる先生や上司がいます。これは日本人的な感覚として苦労することを美徳とする考え方があるからです。

 これは私の実体験ですが、私の職場の上司は工場の在庫管理を全て自分の頭とホワイトボードのみで行っていました。ちなみに2021年の話です。私は「あまりに非効率なのでパソコンを使いましょう」と提案し、上司はいい顔をしませんでしたが、パソコンを1台借りて簡単なシステムをエクセルで構築しました。このシステムを上司に見せたところいくつか改善点はありましたが、最終的にはいい顔をしなかった上司も喜んで工場の在庫管理をパソコンでするようになりました。

 苦労はするべきかもしれません。そこから成長できることもあるでしょう。しかし、しなくてもいい苦労する必要は全くありません。業務や勉強で楽ができることがあるなら積極的にするべきです。理由は楽な戦争が正しい戦争であるように、楽な仕事が正しい仕事だからです。

②永遠に沈んでしまった太陽さえ引っ張り上げる騎士団の友情と恋慕

 騎士団とは作中で「主人公イクタ」、「ヒロイン兼作中最強ヤトリ」、「優しすぎる狙撃手のトルウェイ」、「友情に熱い突っ込み役マシュー」と「良い子で悪い子のハロ」がメンバーとして称される団体です。最初は冷やかし交じりの愛称でしたが、物語が進むごとに騎士団の面々も使い始めます。

 そして、この騎士団の面々が物語の中心で四苦八苦しながらもつらい事や楽しいことを乗り越えていきます。しかし、物語中盤で騎士団のメンバーの一人であるヤトリが軍の元帥であるヤトリの父すら巻き込んだどうしようもない事情で騎士団を離れ、死地に向かう場面があります。この場面で通常なら上からの命令だからという理由で他の騎士団の面々には彼女を助ける術がありません。

 しかし、主人公の軍人嫌いで英雄を憎みすらしているイクタがかつて「軍の英雄」と称されていた父親の遺産を使ってヤトリを、騎士団のメンバーを、そして自分が生涯を投げうっても救いたい女性を助ける道筋をこじ開けます。自分のこれからの平穏や人生を犠牲にして。

 このヤトリを助けるための手段がイクタの父の死をもって解散してしまった日輪と称された軍最強の部隊の再招集でした。かつて父の死をもって沈んだ太陽を引っ張り上げたわけです。さらに騎士団のメンバーもこの部隊に参加します。ヤトリを助けるために。イクタと同じだけのものを犠牲にして。その友情のために。

 友情とは比べられるものではありませんが、10年間数百冊のライトノベルを読んできた私の胸を最もかき乱した物語の友情はこの「天鏡のアルデラミン」のものです。皆さんにも、ぜひ胸を熱くさせる友情の始まりから別れまでをこの作品から感じ取っていただけたら幸いです。 

③自分の命さえ犠牲にする、無際限の愛情とたった一つの約束

 少しネタバレになりますが、物語の中盤でヒロイン兼作中最強のヤトリが死亡してしまいます。この時にヤトリと主人公のイクタはある約束をします。「騎士団がずっと守ってきた皇族でも主君でもない、たった一人の少女シャミーユを救って。」という約束を。

 このシャミーユとは主人公やヤトリが暮らす帝国の第三皇女で自分のことが嫌いで嫌いで憎んですらいる少女です。シャミーユは自分の血統を憎んでいます。民から搾取し、貴族は腐敗している、さらにその後始末はすべて軍人が背負っている。そんな帝国という国の現状すべてを自分の責任だと感じています。

 ヤトリはそんな一人の少女が背負うには大きすぎる責任に押しつぶされそうな少女の心を守ってほしいと頼んだのです。だから、イクタはこの物語の最後までシャミーユの心を守り、生涯の最期にシャミーユの呪いを無際限の愛でもって解きます。

 なので、私はこの物語はTVアニメの宣伝にもある通り「約束された敗北」へ向かう物語ですが、主人公イクタとシャミーユの行動のみに注目して読めば「たった一人の少女が自分を許せるようになるまでの物語」でもあるとも感じました。

独断と偏見で決める3つの名言

「人類の進化は、全て『楽をしたい』という衝動から導かれている。……それなら戦争は? もちろん戦争も同じことだ。ということは、『楽な戦争』こそが『正しい戦争』なんだよ!」

 第一巻での主人公イクタが発言した、後のイクタ・ドクトリンに通じる考え方。

「……望め、ヤトリ! 君が本気でそれを望んでくれるなら、僕はあの太陽をもう一度空に引っ張り上げることだってしてみせる! そこに君が望む未来があるというのなら、空の果てまでだって手を伸ばす!」

 第五巻での主人公イクタのセリフ。騎士団のメンバーで自分の半身でもある彼女に自分の覚悟を示した。君のためならば、多くのものを捨て去り、数多の過去を置き去りにして、それでも自分は後悔はしないという覚悟のセリフ。

「金言を授けよう、不眠の輝将。──全ての英雄は過労で死ぬ」

 第三巻での主人公イクタのセリフ。終生のライバルである不眠の輝将に英雄の人生の無意味さを突き付けた。英雄という人間達は凡人が1人を助ける間に10人を助けられる。英雄ならば、100人を助けられる状況で無理をすれば100人を助けられる。それは1人しか救えない凡人から見ればすべての人を英雄は救えるはずと、誰かを助けるための手を引っ込めるのには十分な差。

 だから、凡人が救えたはずの人々さえ英雄が救わなければならなくなり、英雄は本来なら手の届かない人々まで助けようと無理をする。そして、無理をしすぎた英雄は過労で死んでしまう。英雄であると思うなら、人より多少なりとも優秀だと考えるなら、正しく怠けなければならない。そんなこの物語のなかで最も含蓄のあるセリフ。

買うのをお悩みならアニメで味見をどうぞ

  天鏡のアルデラミンがアニメ化されているので、お金に余裕がないならばアニメから見ることをお勧めします。ただし、なぜかキャラの唇がタラコ唇になっている点はお気を付けください。

 

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